ナンでもやらなきゃいけないと

 承知はしていても筆が進まぬ(現代ではキーボードで入力なのだが)ひと月が、あっという間に過ぎ去って、郷里ではお盆の15日夜、著者校正をPDFファイルにして戻し、今回の仕事がやっと済んだ。
 折りしも、竹島には韓国大統領が、尖閣諸島魚釣島には中国人活動家が、それぞれ上陸して、日本政府の自国領土への対応に関心と注目が集まった。今回の原稿はまさにそれに関することで、企画の段階では、メドベージェフ・ロシア首相の北方領土上陸もまだ実行されていなかった。事態の進展は急だ。
 自分も含めて、問題解決の妙案を思いつかないとき、誰かその問題についてよく知る専門家に、現在ただいま起こっていることのわかりやすい解説を求めるものだ。そこで、そもそも日本は古代より、などと根本から説き始められると、なんとまどろっこしい、とイライラしてしまう。
 困ったことに(?)、そのころ僕が入力を進めていたのが、「『漢書』地理誌にみえる当時の日本(倭)は・・・」などという、紀元前から今日までの日本人の国境意識・領土観の変化、および領土の拡大してゆく様の、時系列に沿った概略の解説と考察だから、性格にも因るのだろうが、自分でもまどろっこしくて仕方がなかった。しかし、自分のためにも良い復習になったし、新たに調べたことについては、興味深い考察も多かったから、勉強になった。そもそもはどうなんだ、と歴史を遡って見てみたい人にとっては、いくぶんか有用な読み物になっているのではないだろうか。自分の説明能力と許された紙数の関係には、毎度頭を悩ますところだが。
 とにかく、今回の仕事も、順調ではなかったにせよ、とにかく終わり、昨日、今日と、その間に依頼されてペンディングにしていたことや資料の返却やら片づけやらをゆっくりと進めた。心は軽くなった。

Webレイアウトの変化なのか?

 近頃、従来の比率の画面幅では入りきらないページが増えたので、ディスプレイを替えることにした。例によってオークションを探すと、あまり重い気持ちにならずに買えそうなものがあった。それがこれ、プリンストンの22インチ TFTワイド液晶ディスプレイ「RoHS指令」準拠モデル HTBSF-22W 。ノングレア。

 これは、2008年発売のものでフルカラーではなく疑似フルカラーだそうだ。調べてみると、色校正に使うのでもなければ充分だ、という評もあり、買ってみた。4,800円也。送料1,300円。車で取りに行けるところだったが、原稿に行き暮れて心の余裕に乏しかったので、配達にしてもらった。昨日は心に余裕も戻り、体調もすっきりで、作業場のデスクトップPC用ディスプレイ交換「事業」に着手できた。以前の17インチは軽いので、ホールドアームから取り外すのも楽だったが、22インチは少し重く、一人でやることなので汗をかいた。
 無事取り付けて、PC(FMV ESPRIMO D5255)を起動し、コントロールパネルの「画面」プロパティで解像度(dpi)を1680×1050に設定してみたら、画面表示の両端が少しはみ出す。タスクバー左下の「スタート」の「ス」あたりまでと、右下アイコンが2つくらい画面の外に出てしまうので、困ってしまった。
 また例によって、解決法をウェブで調べてみたが、それがどうも良くわからない。この製品用のドライバをメーカーのサポートページからダウンロードして使えば良いのか、とも考えたが、そういうサポート・サービスも見当たらない。ディスプレイの取り扱い説明書をダウンロードして、本体右側下部にある4つほどのプッシュボタンがそれぞれ何なのか、を読んでみた。すると、左端のボタンが画面表示コントロール用のものだ、とわかったので、それを押すと「AUTO」と出た。取り説では、これを一秒くらい長押しすれば確定する、とあったので、何度か試行錯誤して実行。突然、画面の天地左右がぴたっと液晶範囲内に納まり、すべて表示された。ほっとした。買ったはいいが、まともに表示させられないのでは、安物買いの銭失い、となりかねない。
 ドット抜けやモアレ、輝度や明度の低下もなく、めでたくWeb画面とWord画面とを並べて表示できたりするようになった。文字や画像が横にひしゃげることもない。下の画像のようになって、昨日から作業している。ようやくWSXGAまで来たわけだが、世の中はQXGAとか、さらにその先とか、たいした高画質がふつうとなっている。

 ディスプレイの台座用ステーは、内側のネジを3本外して取り去ったので、作業が済めばキーボードをその下に片付けて、机の上も広くなる。ディスプレイの下に見えている銀色のケースは80Gの外付けHDD(1,680円也)で、内蔵HDDが20Gしかないノート(FMV LifeBook 8230NU/L)に繋いである。何でもこちらに保存するので、ノートのCドライブは、まだ8Gくらい空いていて、動作に支障はない。動画を保存したりしないので、XPのサポート期限が来る2年後までこれで楽勝だろう。
ただ、ESPRIMOのチップのせいなのか僕の使いこなしのせいなのかはわからないが、どうも音質が気に入らない。サウンドカードを別に買って付ける気もないので、13インチのFMV S8300をDENNON UDRA-M10E(ステレオ・レシーバー)に繋ぎ、DENON SC-F101(スピーカー)からBGMを流している。最近のYouTubeには、長時間ものの音楽動画もあり、便利になったものだ。もっぱら、静かでムーディーなジャズピアノなどを流している。人の声が聴きたくなれば、ヘレン・メリルディオンヌ・ワーウィックの連続動画に換える。英語のしっとりした女性ヴォーカルは、そもそも何を言ってるのかわからないところが良い。どうやら、もう恋なんかしない、とか、帰って来てくれて嬉しい、とか言っているらしいが。
 仕事が一段落したらすること、をメモに書き出してあるので、それを少しずつ進めることにする。まず図書館に本の返却、だ。

更新インストールを繰り返し

 忙しいときに限って、PCではミニ・トラブルが起きるものだ。修正用プログラムをインストールしてください、というお知らせが、何度操作を繰り返しても消えずに現れる。いい加減くたびれて、こういうトラブルについて対処法を検索してみると、やはりちゃんとあった。その勧めにしたがって、マイクロソフト・セイフティ・スキャナーをダウンロードし、実行させている。ただし、とても時間がかかる。今、スキャン開始から1時間半過ぎたところで、25万以上のファイルのスキャンが済んだようだが、いつ終わるのかまったくわからない。
 仕方がないのでBGMを映画音楽掛け流し(YouTube)にして、コーヒーを淹れ、溜め息をついていたら、「道」のテーマが流れてきた。この映画は、見ると悲しくなりすぎるので、記憶の中で反芻はするが、ビデオやDVDを借りに行こう、とは、けして思わない映画だ。この映画が好きだったり、気になる人は当然ながら数多く、検索してみたら、「映画『道』のこと 辻基夫」という方のページがあり、示唆に富んでいたし、何度も見ておられるので(翻訳のバージョンも変えて)、ずいぶん教えられた。そういえばそういうシーンがあったな、とか、そのシーンのもつ意味、とか、だ。たいへんに優れた考察だ。
 僕には、粗暴な(?)大道芸人ザンパーノと軽業師は一人の男(アダム)を二つに割ったそれぞれであり、ジェルソミーナはイヴそのものなのだ、と映画を見た(テレビで)高校生のころから、そう思われる。自分の半分が死ねば、愛も力尽きて死んでしまう、そういう映画なのだ、と直感して、その理解は変わらない。辻氏に比べれば(比ぶべくもないのだが)、ザンパーノ的粗雑さだろうが。

 家人に、ミニバラを好きに摘んで飾りなさい、と言っておいたら、画像のようにした。白いのは郷里からの苗を育てたシャリンバイ(これも20年もの)、ヤマモミジの葉は鮨折に入っていたもので、可愛いため捨てられなかった。
 1時間50分でスキャンは済んだが、トラブルは治らない。
 ペンディングとしておく。仕事にならないから。

苦節20年

 玄関前のミニバラがたくさん咲いた。もっと咲かせるお宅も多いとは思うが、うちでは多いほう。20年前に新築祝いで家人が友人からもらった鉢植えを、何度か植え替えしてもたせている。もっと小まめに手入れをしてやれば他所様のように咲くのだろう。20年、よく耐えてくれているものだ。蕾も多いから、まだ咲くだろう。

 少しずつだが、花がらの摘み方とか、植え替えの際は根鉢をほぐさないとか、覚えたこともないではない。虫を取ったり、追肥をやったり、薬液を撒いたり、などもした。下のほうの紫色の葉はオキザリス・トリアングラリス。トライアングル、から来ている名前なのだろう。葉がきれいな三角形。花は薄いピンクのものがたくさん咲く。
 サボテンの「玉翁」も濃いピンクの小さな花をたくさん咲かせていたが、撮り忘れてしまった。また来年、だな。

子供が帰ってきて

 昭和の日に、少し離れたところで仕事をしていた娘が東京に引き上げてきて、引越し荷物の片付けに大汗をかいていた。以前に買ってやり、メモリを512M→1Gに増設しておいた娘のノートPCを、再びうちのネット環境に戻してくれ、というので、無線LANの子機をカードからUSB端子接続のものに替えることにした。BUFFALO WLI-U2-KAMG54(本体のみ) というものを680円で入手し、100円ショップで買っておいたUSB延長コード2本とつないで、部屋の階段に近い窓側にセットしたら、電波が格段によく入るようになった。
 どうも電波は階段を登ってくるようだ、と娘が言うので、そのようにしてやったら本当だった。障害物がない、ということだろう。USB無線LAN子機のドライバはBUFFALO のサポートページからダウンロードできるし、よく似たWLI-U2-KG54Lの設定用CD-ROMは持っているから、その中のクライアント・マネージャーや設定ツールなどをインストールして、AOSS(自動接続システム)を起動したら、簡単につながった。うちで契約しているインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のデータは、子供のノートPCを買ったときに入れてあるし、次はさらなる高速化、転送の大容量化だろうが、金銭的にも、くたびれた、というのが本音だ。目立った不自由がないから、いまのところはこんなものだ。
 そのついでに、メモリもさらに増やしておこうと、調べてみたら、よく利用する上海問屋(通販部)というところで、「【相性保証付き】 PC2-4200 1GB(DDR2-533/SODIMM) Refurbish(再生品) 1枚749円 お一人様2枚まで」というものが見つかった。これを2枚購入して、メール便(200円)で送ってもらった。 昨日届いたので見てみたら、1枚は以前ここに書いたこともあるキングストン製のメモリ。子供のノートPCに現在載せてあるものと同じものの再生品だった。以前にこれをアマゾンで新品の格安として買ったときは1,500円弱だったから、半額だ。メモリってこんなものなんだなあ、と妙な感慨に襲われた。もう1枚は他社製の再生品。
 迷わずキングストン製を空きスロットに入れることにする。電源コードを抜き、ノートをひっくり返してバッテリーを外し、金物に触って体に溜まっているかもしれない静電気を逃がし、ドライバでメモリ格納場所のネジを1本外す。斜めにギュウッと奥まで差し込み、水平に戻すと両側の留め金具がパッチンと気持ちよく挟み込み、増設終了。外したものを元に戻してPCを起動。マイコンピュータのプロパティを見ると、メモリは1.98Gと出て、無事認識。さらについでに、どうせしていないだろう、とCドライブのディスククリーンナップもしたら、予想以上に時間がかかったが、3G以上空きが増えた。
 一連の作業終了後、どうもありがと、と娘がいそいそとPCを持っていったので、まあ自己満足というか達成感というか、そんな一時だった。

耳障りな言葉の氾濫に

 自分も、それらを嫌うからには重々留意していたい、とは思うものの、戦後の生まれだから、自分の気持ちを表す用語については、かなり混乱しているのだろう。新聞をよく読んだ世代、ラジオによって耳から覚えた世代、テレビが普及して目と耳で覚えた世代、そうして現代のネット社会、と考えてみると、用いる言葉の吟味は、次第に甘くなっている。IT社会となって、鴎外・逍遥と変換されてしまう表記を、まあ仕方ないじゃないか、と言っていたら、いつの間にやら、テレビでは「明るみになる」と言うようになってしまった。
 昨年から、とみに耳障りに感じるようになったのが、「ありえない」の語で、それまでは「いつか消える流行り言葉だろう」と見逃してやってきたが、地震津波原発事故に関して、それらへの対応の遅さや不適切さに苛立ちが大きなせいか、この語が評者の口から飛び出すと腹が立つようになった。多分、僕の語感はすでに現代では古いのだろう。
 先日は京都市内で大きな自動車事故、今日も亀岡市で悲惨な交通事故があった。テレビでは何度か「ありえない」と言っていたが、何が「ありえない」のだ? こんなことが何度も繰り返されるのは、こんな流行り言葉を使ってものごとを評し、その恬として恥じない心持ちに端を発しているのじゃないか?
上記のように立腹して書くのも、「先日お投げした原稿の件ですが」などとメールが届くのにも起因しているのだろう。最近の「業界」では、「依頼する」を「投げる」というらしい。「レイアウトは先割でデザイナーのほうに投げました」と実際に使っている。

画像は、先日「暮らしと健康の調査」アンケートに答えたら送ってくれた僕の食事バランスチェックに付属していた「食事バランスガイド」。「主食」の部分で、ごはん普通盛り1杯は「1.5つ」と数えるのだそうだ。東京大学一橋大学経済産業研究所の調査だ。栄養に関する知識を広めるために日本語を撲滅する気か? などと問い詰めたい気もする。
 以前から、そのうちなんでも1個2個と数えるようになるだろう、人も本も牛馬も魚も箪笥も、その方が楽なんだからなあ、などと嘆いていたのだが、「1.5つ」は予想できなかった。フレクシブルな語感を持った方々が、東大や一橋大にはいるものだなあ。
 花菱アチャコが大昔に、「もう無茶苦茶でござりまするがな」と言って大人気だったが、僕もそう言いたい心持ちだ。 

ちょっと元気に、やる気も出てきた

 仕事も暮らしもパソコン群も、なにかと問題の多い日々で、町の自治会の会計係になったりしたものだから、余計に気分が沈んでいた。不思議なもので、悩んでいた仕事に一応のケリが付いたら、他の懸案事項にも前向きに取り組む気持ちがどうにか湧いてきた。
 そこに飛び込んできたのが、安いノートパソコンを買いませんか、という中古PCオークション業者のメールで、結局また無事に落札できてしまった(4,600円也)。13,3インチ画面のFujitsu FMV-S8300 というもの。コンパクトなのは良い。これに惹かれたのは、CPUがPentium M740(1.73GHz)という点と、OSがXPpro、HDDが40G、DVDコンボドライブでPCカードスロットもある、といった装備のためだ。

 ポートリプリケータ付き、とあったが、それがなんだか良くわからなかった。受け取ってみて、家で使うときの色々な端子がついたプラスチックのアタッチメントだ、とわかった。外部モニタなどを繋ぐポートやら何やらあるが、なによりありがたかったのは、これを装着していると(本体背面に)ヒールを高くした靴のようなもので、キーボードの奥が持ち上がり、机との間に少し隙間ができることだ。冷却にはいくらか良いだろうと思う。1-脱着用のものかな? 2-電源プラグ差込穴 3-マウス用のポート 4.5.6-外部モニタとかLAN接続用の端子らしい 7-USB2.0用ポート 8-ファクスモデム用かな? 9-本体との接続用端子だろう。

 このほかにUSBはリプリケータの右端切り欠き部分から本体にある端子に一つ接続できるようになっている。リプリケータを装着して奥が少し持ち上がっていると、キーボードが打ちやすい。キーのタッチはとても良い。
 メモリが512Mしか積まれていないので、例によって増設。まだ修理にかかっていないdynabook J61 のメモリがDDR2 PC5300(PC4200互換)で同じだったことを思い出し、たしかそちらを2Gに増設しておいたはずだ、と裏蓋メモリ部を開けて見てみたら、512Mが2枚だった。少し当ては外れたが、そういうことには慣れている。挫けることもなく、移植してS8300を1Gとし、増設は終了。ついでUSB無線LAN子機をセットし、ドライバその他をインストールして、プロバイダに無事繋ぎ(AOSSで)、ネット環境に入れた。無料のセキュリティ・エッセンシャルズを入れる前に、XPをSP2からSP3にアップし(アップしないとエッセンシャルズが入らない)、1回目のスキャンも終えて、オフィスを入れて終了。
 今回、やや工夫したのは、外部スピーカーが無線LANの信号を拾って雑音を出すのを回避することで、USB延長コードを使って子機をPC本体および外部スピーカーと少し離した。こんなことで効果がどれくらい出るのか、と自分で試してみながら疑わしかったが、雑音は出なくなった。このPCは、もともと無線LANを内蔵しているのだが、子機を使ってみた。
 J61のCPUファン清掃は差し掛けだが、FLORA270Wのために、Pentium M740 (CPUファン付き)を520円で入手した。またすぐに仕事がいくつか入ったので、初めてのCPU交換作業に直ぐ取り掛かれるかどうかはわからない。まあ、なんとかなるだろう。