くたびれるので

 何日も(はや何週間もだが)机の前を離れず、睡魔に襲われれば、3枚重ねて敷いている座布団を直列にして簡易寝床を作って仮眠している。地下が寒すぎるので、その真上の和室に避難したのが運の尽き、と言おうか、畳に座り机という環境なだけに、簡便な道具ですぐ眠れてしまう。枕と毛布を、机の横の押入れから引っ張り出せば、中学生のころ保健室で快眠できたように、あっという間に「浮世の馬鹿は起きて働け」のシエスタだ。母は日本海側のラテン系だから、良くそんなことを言っては昼寝をしていた。つくづく遺伝は怖いものだ。
 しかし、深夜に一人起きてノートパソコンに向かっているとなんだか寂しいので、音楽でも聴きながら作業することにしたが、手間はぶきすることを思いついた。たしか、ネットのお気に入りにRadio Stasionというのがあったはずで、それをBGMにクラシックなどを流しっぱなしにしてやろう、といった思いつきだ。
 先日メモリを2Gに増やした日立フローラ270WをBGM専用機にして、仕事は富士通ノート830NU/Lで入力すればよいから、外部スピーカーにはKenwood MDX-G2(AUX経由/画像)を使い、フローラとつなぐことにした。G2は、5年前に、CD部動作不良、中古、1,000円、で買っておいたものだが、しばらく鳴らしていなかった。


 一方がヘッドフォンプラグで他方がミニプラグ、というコードが見つかった。これではつなげない。引き出しを捜すと標準プラグをミニプラグに変換するアダプターが出てきた。昔買っておいたものだが、10年ほど使っていなかった。ヘッドフォンプラグにそれを付けても、まだ長さがたりず、PCとMDX-G2が結ばれない。
 万策尽きたかな、と諦めかけたら、目の端にミニプラグ延長コードが見えた。これも以前、アクティブスピーカーの延長用に100円ショップで買っておいたもので、デスクライトに引っ掛けたまま、忘れていた。これで無事にすべてつながり、G2からバロック音楽が流れ始めた。
 G2は、7cmフルレンジ×2、フロントバスレフで、リモコンで音量微調整も利くし、サウンドモードをラウドネスにしてやれば、小音量でも聴きやすい。 しばらくは気持ちよく聴いていたが、歌曲になったら突然声を張り上げたりして落ち着かない。このメディアはとにかくジャンルが多く、ラジオ局もたくさんあり、なかなか便利だと初めて知った。ジャンルを映画のサウンドトラック専門局に代えてみたら、これがなかなかよかった。知らない映画のテーマも穏やかで聴きやすい。
 当分、映画音楽掛け流しで行くことにした。