締め切りが少し延びたら

どっと疲れが襲ってきて、全身だるくて気合が入らない。
読まなければならない本、読んだ方が良い本、どれも読む気にならない。
しかし、そこが経験というもので、これで横になってしまうと、エネルギーの残り分もとことん床に吸い込まれ、残量計がゼロに近づいて何日かその状態、という症状悪化に陥ってしまうのがわかっている。
仕事場の椅子に坐って、好きなBGMでも流しながら、インスタントでもドリップ式でもいいから珈琲でも淹れて、いつコックリしても平気だ、仕事場にいるんだから、という気持ちでいれば、残りの燃料から「エーテル」が少しずつ発生して、凋んだ体がまた少し膨らんでくる。
井伏さんが開高さんに、書けない時は「いろはに」でもいいから、とにかく何か原稿用紙に書くんです、と教えておられたのをテレビで見た。
昨日は、それに従い、手紙を二人に書いて投函した。兵庫県と新宿区へ、僕の代理といおうか心の分身といおうか、80円切手の白い封筒が今朝はもうポストから動き始めた、というところを昼間想像しながら、自分も活動を始めたような気分になった。
庭を見ると、大きくなったマミラリアの錦丸(旭鶴かもしれない)が少し弱って、鉢から大きな体を横にして、ウエストが細くなっている。これはまずい。下部では2-3個仔吹きして、小さな体と銀色の元気な刺が見えている。胴切りして助けなければならない。今は湿度も下がって、よい季節になってきたし、アカダニもいなさそうだ。100円ショップに行けば石灰もあるだろうし。
あと三日ですべて書き上げたら、秋のサボテン作業に取り掛かりたいものだ。
画像は、韓国戦で日本の誇る女子MF阪口夢穂(みずほ)選手がヘディング一発、ゴールを決めたところ。阪口選手はネットでの人気も高く、最近出来たキャッチフレーズで可笑しかったのは、「可愛くないけど 愛らしい」というもので、賛同者が多かった。笑顔が可愛いが、ムスっとしていると吊り目のヨシノボリのようでもある。アマチュア選手として導電・絶縁材料メーカー・ナミックスの月岡工場(新潟)で働き、勤務態度は真面目で同僚・先輩・上司に可愛がられる人気者だ。
月末には、NACK5に神戸×浦和戦を見に行くか、西が丘で湯郷の上京戦を見るか、悩んでいるが、「むほちゃん」がほんとは一番見たい。

本は幸いなことに非常に評判が良く、店頭に並んで二週間のうちに増刷が決まった。嬉しかったし、ホッとした。
取り上げた人物は、考えてみれば、自分など足元にも及ばないだろう史上の大物ばかりだ。その人物たちの人生のドラマは、やはり並のものではないのだが、とはいっても、年齢と名前の違う自分ではないか、とふと怖くなるような切羽詰った場面への遭遇もある。自分にも似たような経験をした覚えがある、と思うからだ。

阪口選手には、もう大きな怪我をせず、長くプレーを見せて欲しい。良いプレーだけ見たい、とは言わないし、望みはするが、そればかりもできまい。らしく一所懸命な顔のプレーが一番良い。